2019年 花懸り 2
2020年 05月 08日
初めて大きな花笠を被ったささらっこ一年生、庭場を移動するのもきっと大変なことでしょう。
それでも、体を回転させながら一生懸命に摺りザサラを摺ります。
あ、花傘がずれてしまったのかな?大丈夫かな?と思った時、すぐに保存会の人が駆け寄って行きます。
あごの手ぬぐいを結び直します。赤い垂れ幕の中から。ちらりとのぞいたお顔はうつむいていたけれど
眼差しはまっすぐに見据えていました。辛いけれど、やり遂げるぞと思っているのでしょう。
「がんばってね!君たちの頑張りを見ているからね!」とこころの中でつぶやきました。
獅子は、力強く舞い続けます。
先輩ささらっこのおねえちゃんが、ずっと寄り添って花笠を支えてあげていました。
このお姉さんささらっこも、ささらデビューの年に、べそをかきながら頑張っていたことを思い出しました。
きっと辛かったのでしょうね。終わって花笠を外して貰った時、涙ぐんでいたことを思い出しました。
今は成長され、立派なささらの先輩となりました。きっと、自分が初めてささらをやった時の不安な気持ち、
その時、先輩ささらが支えてくれた事を受け継ぎ、年少のささらっこを労ってあげたいと頑張っているのでしょう。
下名栗の獅子舞の素晴らしい所は、こうして子どもたちが自発的にお世話をしていると言う所だと思います。
毎年繰り広げられる、心温まる光景です。
頑張れ、ささらっこたち。
いよいよ、花懸りのクライマックス、さすがベテラン役者たち、スピード感、美しさ、迫力と三拍子そろった素晴らしい舞いです。
庭場の中央に集まり、また散って大きく広がり、また中央に飛び込むように集まる
こういう所作を繰り返し舞います。
太鼓を打ち鳴らし、小気味よいテンポで繰り広げられる美しい所作です。
そして、それぞれに庭場に散っていきます。
それぞれの狂いと呼ばれる所作で、最大の見所です。獅子たちはここぞとばかりに目いっぱい狂います。
仲間の獅子舞役者たちは、大きな掛け声をかけて、さらに盛り上げます。
この光景、いつもいつも、ワクワクして、カメラを構える手にも力が入ります。
次は、小太夫のさだっちさん、石段に足を掛けたパフォーマンス!!
次は、大太夫、パワフルな鉄人さんの狂いに期待が集まります。
大きな身振りとスピード、メリハリのある切れの良い所作、さすがの迫力でした!!!
そして、三匹の獅子は、力を振り絞り庭場を走り回り狂います。
そして、三匹揃い、庭場の下手へと駆け抜けます。
笛方は笛を吹きながら庭場を退場して行きます。
最後の力を振り絞って繰り返し舞う獅子と、ささらたち
花傘が大きく傾いたまま、頑張ります。健気な姿に胸が熱くなります…
終わりました、すぐさま仲間や世話役の人が駆け寄りました。
庭場に戻ってきたささらっこに、駆け寄る世話役さん。
獅子とささらを囲むように仲間が、ずっと見守り続けた人々が集まります。
激励の手打ちの拍手は、いつも素敵な儀式です。
花笠を外したささらっこの元に駆け寄ったのは、お兄ちゃんでしょうか?
肩に手を置き、優しく覗き込む姿に感動しました。
ずっと、花笠を支え続けた先輩ササラのお姉さんも見守っています。
見つめ合い『頑張ったネ!!良かったよ!!』『ありがとう!!』と、言っているのでしょうか?
ささらっこの表情に安堵の笑顔が浮かびます。良い光景だなぁと思ってカメラを向けさせていただきました。
傾いた花笠のまま、良く頑張り抜いたね。偉かったね。
この後、昔、獅子舞役者だったおじいちゃんが駆け寄りました。
きっと、この子も獅子舞役者になるような、そんな予感がしたのでした。
鉄人さんと息子さん、この子もきっと良い獅子舞役者さんになるのではと、ひそかに期待してしまいます。
大ベテランの獅子舞役者さん、素晴らしい獅子舞をありがとうございました。
獅子舞役者となった息子さんと、ささらを担当した娘さんと記念写真。
ベテラン獅子舞役者による花懸り、素晴らしかったです。大変見応えありました。
そして、ささら一年目のささらっこちゃんたち、最後まで頑張った姿に、とても感動しました。
by simonaguri
| 2020-05-08 00:06
| 例大祭