2019年 三拍子 1
2020年 05月 24日
素晴らしい三拍子でした。
今年は、獅子舞レジェンドのMr.さんが女獅子、昨年獅子舞役者の全ての芝を摺り上り【習得し】
まさしく獅子奮迅の勢いの弁慶君が大太夫、獅子舞役者歴2年目の新人のO君が小太夫を演じました。
三拍子は、三匹の獅子と4人のささらとが終始同じ動作で舞うと言う演目です。
一挙手一投足に至るまでピッタリと合った演技は、本当に美しいです。
それぞれの役者が獅子舞の所作を極め、さらに三人が息を合わせないと揃った演技をするのは難しいと思います。
レジェンドのMr.さんの所作はさすがの美しさで惚れ惚れしますが、逞しい獅子舞役者へと成長した弁慶君の
躍動感溢れる力強い演技、一心に先輩役者に付いて行こうと練習したであろうO君の清々しい演技も感動しました。
芝全体を通しての流れるような所作とキレのある演技は、見ていて小気味よく引き込まれました。
男子のささらっこも含むささらたちの演技も光りました。息がぴったりと合い大変素晴らしいものでした。
三拍子のささらは他の芝には見られない、躍動感あふれる独特の動作がありますが、体を大きく回しながら美しく舞ってくれました。
赤い着物の振袖がふわっと広がり紫の帯が蝶のように揺れると、まるで大きな花が咲いたよう…
わたしは毎年、三拍子のささらを見ると、「獅子舞の華」と表現したくなるのです。
笛方の独特な節回し、庭場中に響き渡る美しい音色、実は獅子舞をリードし統率する重要な役割を果たしているのです。
親笛を担当するお二人は、女獅子役のMr.さんの息子さんと娘さんの兄妹です。
親子共演と言う微笑ましいコラボも、下名栗獅子舞保存会の人脈の深さと、地域文化をそれぞれが継承して行くんだと言う情熱を感じます。
そして、この三拍子は、午前中最後の芝です。太陽の位置が高くなり杉木立の上から庭場に降り注ぎます。
すると、庭場には獅子舞役者やささらの影がいい感じで生まれます。この影が、役者たちの動作と共に動き
いつの間にか庭場の地面の上で踊りだすような気がするのです。
そんな影を追いながら写真の中に収めるのも、わたしの密かな楽しみなのです。
昨年摺り上がり、晴れて一人前の獅子舞役者となった弁慶君はこんなお茶目な青年です。
先輩役者のアドバイスを受ける2年目の新人獅子舞役者のO君
兄貴分の先輩役者が何かしら声をかける、和やかな風景が芝前の緊張を和らげるのだと思います。
先輩役者は、何くれとなく新人役者のフォローをします。
親笛を先頭に庭場に向かいます。
ささらと獅子が庭場へ向かいます。
笛方、獅子、ささらが庭場の定位置に着きます。
庭場に、控えの獅子舞役者たちが扮した道化師役のホーイが現れました。
なんと大ベテランの獅子舞役者さんも、ホーイとして登場、コミカルな仕草で観客の笑いを誘います。
ホーイは『ほーい!!』という奇声を発しながら独特のスッテプで庭場をゆるーく回ります。
このホーイは、庭場を清めると言う役割があるそうです。
さあ、満を持して、三拍子の芝が始まります。
切れのある美しい所作が重なり合い小気味よいテンポで太鼓の音色が響き渡ります。
獅子舞役者たちは太鼓を打ち鳴らしバチを鳴らしながら美しく舞います。
説明は不要と思われますので、しばらくは写真のみにてご覧ください。
繰り返し、テンポ良く三匹で舞ったあと、それぞれに散って行きます。
ここからは、離れた場所で同じ所作でゆっくりと舞います。
庭場には良い影が出て来ましたよ!!
先ずは大太夫のささこをご覧ください。太夫は、大きくゆったりと力強く舞うささこです。
金色の獅子頭が陽射しを受けて眩しく輝きます。
ささらの影がくっきりと庭場に移ります。
次は獅子舞レジェンドMr.の女獅子の舞い、高く上げた足のつま先までも美しいささこです。
女獅子は、繊細に美しく舞うささこです。
くっきりと庭場の影が踊りだします。
惚れ惚れする足さばきです。
腰を低く落とし、ひとつひとつの所作にメリハリがあります。
次は今年2年目の獅子舞役者の小太夫の舞いです。
小太夫は大太夫よりは振りは小さく精悍に舞います。
影法師も踊りだします。
2年目とは思えないこの足運び、たくさん練習した事でしょう。
大太夫の演技を嬉しそうに見つめる保存会の諸先輩方、かつて獅子舞役者として活躍された方たちです。
ささらを摺りながら、バチを真っ直ぐに前に伸ばす所作も美しいです
獅子たちはそれぞれに庭場を回りながら舞い、森の中を楽しく遊ぶという所作になります。
ここで謡が入り、庭場に御座が敷かれ、遊び疲れた獅子が居眠りをすると言う所作に入ります。
三拍子 2に続きます。
by simonaguri
| 2020-05-24 23:56
| 例大祭