2019年 三拍子 2
2020年 05月 26日
三拍子も後半になると、庭場には美しい影がくっきりと浮かびます。
獅子もささらも、躍動感溢れる舞いとなり、そのすべてから目が離せなくなります。
とても美しい三拍子の舞いでした。
遊び疲れた獅子は、庭場の中央に集まって体を揺らしながら居眠りを始めます。
ささらもしゃがんで、摺りザサラの音もゆっくりと摺ります。笛方の音色もゆったりとした節回しになります。
ささらっこたちは、姿勢を正し、裾さばきに気を使いつつ、美しい所作で舞います。
体を回転させるため立膝で、踵をあげているので、『足がプルプルしてしまう』のだそうです。
ささらっこたちは、見えないところでこんな苦労もしているのです。
微妙な位置を調整指示をする保存会の世話役
ここから、獅子舞の華、「周りっ子」と呼ばれるささらの見せ場です。
ささらは、中央の獅子の周りを回りながら、摺りザサラを振り下ろすような大きな動作で舞います。
ささらが体を回転させると振袖や帯が広がり、とても美しいです。
そして、獅子たちはパッと庭場に散って、物凄いパワーとスピードで踊ります。
これが『狂い』と呼ばれる下名栗独特の所作です。
大太夫は全速力で階段を目指します。
階段を駆け上がり狂います。待ってましたとばかり仲間は掛け声をかけ、観客はどよめきます。
わたしも、カメラで追いますが、これが精一杯でした。
次には女獅子が、階段へと向かいます。目にも止まらなくて胸が透く思いです。
そして小太夫も、若い力をぶつけます。写真は撮り損ねてしまいました。残念です。
小太夫が全速力で庭場へ飛び出します。
大太夫、女獅子が後を追います。
それぞれ激しく狂いながら、横一列に並びます。
勢いよく、下手へと駆け抜けていきます。ささらも力強く舞います。
最後の力を振り絞り、揃いの所作で繰り返し舞い切ります。
笛方が演奏しながら庭場を横切り、下手に回り最後の演奏を送ります。
観客は惜しみない拍手を贈ります。
社務所に戻り、仲間たちは、独特のカッコイイ手打ちで讃えます。良い光景です。
お疲れ様でした!!重鎮の獅子舞役者の胸を借り、力いっぱい舞い切った若武者たちの清々しい笑顔です。
by simonaguri
| 2020-05-26 11:45
| 例大祭