2019年 棹懸り 2
2020年 07月 13日
最後に大太夫が棹に懸ります。
女獅子と小太夫は、上手側に回ります。
いよいよ大太夫の舞いです。昨年摺り上がり、晴れて一人前の獅子舞役者としての棹懸り
どんな演技を見せてくれるのか楽しみです。
深く腰を落として舞う…獅子舞役者歴10年、本当に上手くなりました!
大太夫は、ゆっくりと大きく舞います。その所作が、寄り迫力を持ってみる人の目に映ります。
川の浅い場所を探す所作です。
こちらでも背伸び
そしてジャンプ
こちらでも背伸び、爪先立ちで目いっぱい伸びるこの所作は何となくユーモラスです。
ジャンプ!!ベストショットを狙ったカメラマンが、棹持ちより前に陣取り庭場に出てしまいます。
つい夢中になってしまうのは良く判りますが、獅子舞役者の舞いの妨げにもなり危険です。
他にも撮影を楽しみにカメラを構えている人たちや、固唾を呑んで演技を見守っている方たちもいらっしゃいます。
わたしも写真を撮る一人として、もう一度、カメラマンマナーを再考していただきたいと思います。
一度、がっつりと棹にかかったあと、離れます。
ガッツリと向かい合い、今度は向きを変え、棹を渡って行きます。
この時のぴったりとした一体感で演じる、なかなか素晴らしい棹懸りです。
方向を変え、棹を渡って行きます。
棹の先端ギリギリのところで方向転換する。これは、技の見せ所です。
ゆっくりと、浅瀬を探るように行き来します。
どうやら、浅瀬を見つけられたようです。
いったん離れ、もう一度棹に懸ります。
今度は、棹の高さが高くなります。
棹が高くなった開放感で、女獅子と大太夫は猛スピードで飛ぶように棹を渡って行きます。
躍り上がるような所作、スピード感と相まって、心躍る光景です。
『さあ、渡るのよ!』と言わんばかりに中央に導いて、女獅子は棹を離れます。
意を決して、大太夫は川を渡ります。
棹に向かい全速力で突進します。
首と肩とで、太い竹竿に体当たり、何度見ても胸が高鳴る光景です。
力いっぱい、棹を押しやる逞しさに、会場はどよめき、歓声が上がります。
いったん離れ、浅瀬を探ります。
何度か試みて次の所作で、棹をくぐり川を渡ります。
無事、川を渡りました。
大太夫が川を渡り終えたので、庭場の棹は撤去されます。
獅子はそれぞれに定位置に散っていきます。
そして、今、舞い終わったばかりの大太夫の息を整えるためのささこの動作
ささこというのは、不思議な動作です。脱力しているように見えるけれど、
ベテランのささこは、無駄がなく美しいのです。
そして、ふたたび動へと。
中心へ集まり、激しく首を振り太鼓をたたいて舞います。
ささらも、庭場に立ちつくし、ささらを摺り続けます。
4人のささらがぴったりと息を合わせて摺り続ける姿は凛々しくも美しいものです。
獅子は、息もつけないのではと思うほど激しい動きで舞い続けます。
そして、それぞれ力の限りに激しく舞う狂いの所作へと向かいます。
もう一度石段へと向かい足をかけて舞います。
庭場に散って舞っていた三匹が、全速力で集まります。
そして、上手から下手へと駆け抜けます。あれだけ舞った後のこの所作です。
笛方は庭場を横切って下手へと回ります。
獅子は最後の力を振り絞って舞い続けます。
見事に、ぴったりと揃って舞い切りました。
親笛を先頭に笛方が社務所に戻って来ました。
女性の親笛は、とても美しいですね。
この動作も美しいです。
みんなが揃って拍手で讃えます。
二芝舞い切った弁慶君が思わず両手を上げました。
そして駆け寄る仲間たち、毎回見ても良い光景です。
後輩の獅子頭を取る手助けをしながら、思わず相好を崩す先輩役者。
一年先輩のK君の元に駆け寄る後輩のO君、来年はO君がこの芝を舞います。
大先輩の獅子舞役者さんが、二芝見事に舞い切った弁慶君の手を握ります。
レジェンドのMr.さん、そしてリーダーさんからも祝福を受けます。
頼りになる若い獅子舞役者の誕生です。
鉄人さんは、温かいまなざしでK君を見守ります。
やっと、一息ついたK君、恐らく舞い終えた充足感が、じんわりと心に広がった事でしょう。
弁慶君、やり切ったいい顏しているよ。
お疲れ様でした。大変美しくも力強い素晴らしい芝を拝見させていただきました。
by simonaguri
| 2020-07-13 23:49
| 例大祭